育児のために離職してしまった看護師はブランクが気になってしまって復職できないことが多いだろう。出産後1年程度の期間は産前産後休業と育児休業でカバーできるが、育児休業が終わった時点で復職することができずに退職する看護師は昔から少なくない。

離職によって生じたブランクが長くなるほど復職に対して不安を覚えてしまい、結局は復職しないまま専業主婦を続けるケースも目立っている。

これらの状況を打開するために、地域による看護師の復職支援が行われるようになった。講習や実習を通してブランクがある不安を払拭することができる支援は看護師にとって心強いものだ。しかし、現状としては支援状況の地域差が大きいという実態がある。

看護師の復職支援の主体は都道府県や市町村のことが多く、地域的に必要性が高いからこそ実施している。看護師の不足が著しい地方では活発な支援が行われていて、無償で講習と実習を終えた後、就職先の紹介までしてもらえることもある。

しかし、充足率の高い地域では復職支援が充実していない場合も多いのが実情だ。地域として支援しなくとも最低限の看護師が確保できているため、限りある資金を使って支援をする必要性が高くないと判断されているのである。

このような地域差はブランクのある看護師にとって切実な問題だ。支援を受けて復職を達成したいと思っている場合には、住む地域から考えなければならないのである。支援状況も刻々と変わっているため、復職を見据えて住む場所を考えるとよいだろう。